フタル酸エステルの化学式、物性から特徴とそして法規制について説明しています。
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2019.2.17 update
フタル酸エステルはさまざまな樹脂と相溶しやすく、揮発しにくい特徴を活かして、樹脂の可塑剤として使用されることが多いです。以下の表はRoHS指令の制限物質のフタル酸エステル4物質です。
日本語名 | 英語名 | 略称 | CAS No. | 用途(NITE-CHRIPより) |
---|---|---|---|---|
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) | Bis(2-ethylhexyl) phthalate | DEHP | 117-81-7 | 塩化ビニル樹脂可塑剤,塗料・顔料・接着剤溶剤 |
フタル酸ブチルベンジル | Butyl benzyl phthalate | BBP | 85-68-7 | ポリサルファイド用可塑剤(建築シーリング剤・窓枠シーリング剤), セラミックバインダー用・アクリル系塗料用可塑剤 |
フタル酸ジブチル | Dibutyl phthalate | DBP | 84-74-2 | 塗料,顔料,接着剤,合成レザー・塩化ビニル樹脂可塑剤,香料の溶剤,織物用潤滑剤,ゴム練り加工剤,農薬の補助剤 |
フタル酸ジイソブチル | Diisobutyl phthalate | DIBP | 84-69-5 | 可塑剤 |
フタル酸にさまざまな置換基を入れることにより、溶解性などの物性をコントロールしている。
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DHEP)
フタル酸の末端に2-エチルへキシル基が2個置換
フタル酸ブチルベンジル(BBP)
フタル酸の末端にブチル基とベンジル基が1個ずつ置換。
フタル酸ジブチル(DBP)
フタル酸の末端にブチル基(C4H9)が2個置換。
フタル酸ジイソブチル(DIBP)
フタル酸の末端にイソブチル基が2個置換。
物質名 | フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) | フタル酸ブチルベンジル | フタル酸ジブチル | フタル酸ジイソブチル |
---|---|---|---|---|
略称 | DEHP | BBP | DBP | DIBP |
CAS No. | 117-81-7 | 85-68-7 | 84-74-2 | 84-69-5 |
化学式 | C24H38O4 | C19H20O4 | C16H22O4 | C16H22O4 |
分子量 | 390.6 | 312.4 | 278.3 | 278.4 |
物理的状態;外観 | 特徴的な臭気のある、無色~明るい色の、粘稠性の液体。 | 無色の油状液体。 | 特徴的な臭気のある、無色~黄色の粘稠性の液体。 | 無色の粘稠液体 |
水への溶解度 | 溶解しない | 非常に溶けにくい | 非常に溶けにくい | 非常に溶けにくい |
沸点(℃) | 385 | 370 | 340 | 320 |
凝固点(℃) | -50 | -35 | -35 | -37 |
引火点(℃) | 215 | 198 | 157 | 185 |
発火温度(℃) | 350 | 425 | 402 | 423 |
比重 | 0.986 | 1.1 | 1.05 | 1.04 |
物性値は国際化学物質安全性カード参照
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