可塑剤の特徴とそして法規制について説明しています。
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可塑剤とは硬い樹脂を軟化させ、加工性をよくするための液状の材料である。
ポリ塩化ビニルにおけるフタル酸エステル(特にフタル酸ジエチルヘキシル、DEHP)が最も多く使用されている。
可塑剤は樹脂の網目構造中に入り込み、分子間の結合を弱め、樹脂を軟化させることができる。
そのため、樹脂と可塑剤の相溶性(親和性)は非常に重要である。
相溶性が悪いと可塑剤が分離しやすくなり、軟化しにくい。
樹脂には一定の柔軟性を与える適正な可塑剤の添加量があり、樹脂により大いに異なる傾向がある。
ちなみにポリ塩化ビニル樹脂はフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)を樹脂に対して30~65%添加する。
一般的に樹脂、可塑剤とも低温環境では硬くなる傾向がある。
低温環境に対応する可塑剤としてアジピン酸オクチル、アゼライン酸オクチル、セバシン酸オクチルがある。いずれも脂肪族ジカルボン酸のオクチルエステルである。
樹脂成形時に高温溶融させることから、高温で揮発(蒸発)しやすい可塑剤は可塑性を十分に発揮できなくなることがある。
可塑剤は樹脂に完全に固定されているわけではないので樹脂中で自由に動き回っている。そのため、他の樹脂と接触すると、可塑剤が移る傾向がある。特に高温環境下、高い圧力で接触すると移行しやすい傾向にある。
ビニル系樹脂
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン
セルロース系樹脂
アセチルセルロース、ニトロセルロース
フタル酸エステル以外に、脂肪族ジカルボン酸エステルのアジピン酸エステル、リン酸エステル、トリメリット酸エステルがある。
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